おじいさんのカサブランカ

あるおじいさんと娘さんの話を聞きました。実話です。

そのおじいさんはユリの花が好きでした。

娘さんはそのことを知っていて、毎年おばあさんの命日にカサブランカという高価なユリの花をおじいさんに送りました。

おじいさんはなかなか言い出せませんでしたが、ある時「カサブランカは送らなくて良いぞ」と言ったようです。

それでも、娘さんは、「遠慮」だと思い、毎年送り続けました。

しかし、遠慮ではなく、おじいさんは本当に要らなかったようです。

カサブランカはたくさん送られてきますが、大きくて香りが強く、仏壇にお供えするのですが、仏間はおじいさんの寝室でもあるので、寝る時など、匂いでむせたそうです。

優しいおじいさんでした。

贈り物は、贈る側も、受け取る側も難しいようです。

 

2024年9月

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